
関東の餅は「のし餅」で、シート状のお餅を四角く切って食べることが多いようですね。スーパーで売っている「切り餅」もそう。四角です。私は島根県松江市の出身で、松江は、丸餅です。つきたての餅を手で丸めます。丸くする過程で、カビの胞子も餅内部に入り込みやすいので、あまり長持ちはしないのが欠点ですが、正月から四角い餅を食べる気はしません。
さて、暮れにデパートで丸餅を探していたら、やたらと小さい丸餅を売っています。私が思う丸餅は直径10cm程度なのですが、直径3cmくらいの丸餅を売っています。変な丸餅だな、と思いかけた瞬間、気がつきました。これは高齢者用なのではないかと。毎年、正月に餅を喉に詰まらせて、救急車で運ばれる高齢者が大勢いらっしゃいますね。嚥下機能が衰えた高齢者向けに、小さな丸餅が作られるようになったのではないでしょうか。
そうならば、80を過ぎた私の母親にと、1袋買い求めました。ところがいざ正月が来て、雑煮を戴く段になって、はたと気がつきました・・・私だってもうすぐ60歳です。母の心配をする前に、そろそろ自分の心配をしなければいけない年齢にさしかかってきました。私の分も高齢者用のお持ちにするべきだったのです。
まあ、そういうわけで、私も今年は還暦を迎えます。数え年で男性は25歳、42歳、61歳が本厄なのだそうで、今年は前厄に当たります。おもしろくないことが起きてはいけないので、元旦は佐野厄よけ大師にお参りしました。本当は、上に上がって厄除の祈願をお願いしたかったのですが、混み合っていたのでそれは後日にしました。祈願料が、3千円、5千円、1万円、3万円とありました。同行したマンちゃんは、
「なぜ4段階あるのか?」
と私に尋ねます。よくわからないけれど、そこはやはり3万円のプランにすれば効き目が違うのだろうねと答えたら、「カンボジアのお寺では、そんなことあり得ない」と言って、笑っています。カンボジアでは値段は決められておらず、「気持ち」をお金にして渡すのだそうです。
なんか、そっちの方が、見透かされるようでコワイような気もしますがね。