お知らせ

2020年10月2日(金)

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カンボジアは、9世紀から15世紀まで東南アジアに存在していた王国、クメール王朝(アンコール王朝)が元となっている国。カンボジア人は自分たちのことを「カンボジア人
とは称さず、「クメール人」と称します。「カンボジア語」ではなくて、「クメール語」。

週末、私を手伝ってくださっているマンさんはクメール人なので、クメールの文化と身近に接する機会が増えました。本日は、クメール・カレーを作ってきてくださった。カンボジアでも、カレーはご飯にかけ食べることはあるけれど、そうめんのような麺にかけて食べる方が人気があるようです。しかも、カレーだけではなく、刻んだキュウリやキャベツなど、生野菜をトッピングするのだそうで、そこまで聞いただけでも、私はそれを完食できるか不安になってきます。

しかしいざ食べてみると、ほぼ日本のカレーのルーに近い味で、薬膳カレーだと思って食べれば、さほど違和感はありません。食べているとじんわり体が温まってきるようです。東京大学の大学院で研究もされたという、印度カリー子さんの説明によると、私たちが日頃食べるカレーは、欧風カレーであって、煮込み料理なのだそうです。これに対して印度カレーは、スパイスを楽しむ「炒め物」であって、従って、そこで使われる具も1種類か2種類。欧風カレーのように色々な具を使うようなことはしないのだそう。

しかるにクメール・カレーですが、これはスープなのだと思います。スープだから、ご飯よりも麺との親和性が高いのでしょう。そしてもっと言えば、チキン入りスープ料理またはビーフ入りスープ料理なのだと思います。クメール・カレーの具はゴロゴロとしたチキンやビーフ(今回はこの2種類、両方作ってきてくらました)で、ジャガイモやにんじんは、入ってはいますけれど、ほぼ原型をとどめていないのです。

ルーを作るのに小麦粉や油は使われませんので、ルーになめらかさというものはなく、むしろザラザラした食感ではありますが、その分、カロリーは抑えめなのだろうと思います。そして一からの手作りで、カレー粉さえも使いません。どうするかと言うと、以下にあげたものを(一部、名称が不明!)、どんぶりくらいの大きさのすり鉢に入れて、すりこぎで根気よくパウダー状にしていき、それをココナッツ・ミルク、野菜や肉と共に煮込んでいくのです。完成するまでに少なくとも半日かかります。

カレーの材料(多い順に):レモングラス、ピーナッツ、レモンの木のような木の葉、ショウガのような形状の植物の根、ニンニク、ターメリック(ウコン)、生の唐辛子、乾燥唐辛子、スターアニス(八角)、カピ

カピはエビを原料とした天然の旨味調味料。「ナンプラー」と同じく魚醤(魚や魚介類を原料とした調味料)の一種ですが、さらりとした液体のナンプラーとは異なり、ペースト状(もしくは固形)。カピは小エビを塩漬けにし、発酵させて作りますが、カンボジアでは魚(トンレサップ湖などの湖で獲れるコイの仲間)を発酵させて作り、「プラホック」と呼ばれます。日本でプラフォックが入手困難なため、カピで代用。

材料のほとんど全ては(名前くらい聞いたことあっても)これまで見たことがなかったものばかりで、探究心がそそられます。「木の葉」や「根」は、ネットで色々調べてはみたのですが、今のところ不明です。教えてくださる方がおいででしたら、とてもうれしいです!

カレー #カンボジア #クメール