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2020年9月13日(日) 続き

準備中

東京・向島の吉備団子のお店のすぐそばに、「志”満ん草餅」という老舗があります。「志」に濁りが打って(点々が付けて)あります。パソコン上では難しいので、クオーテーションマーク(quotation mark)を使いましたが、本当は「ば」や「が」と同じ点々がふってあるのです。

点々を打つことで、「志」を「し」ではなくて「じ」と読ませますので、「志”満ん草餅」は「じまんくさもち」と読めます。本来「自慢の草餅」と言うところを、しゃれているのでしょう。このお店のHPには、

志”満ん草餅は、創業以来百十余年「香り高いよもぎ」だけを使用しております。

とありますから、老舗も老舗、ずいぶんと歴史があるお店なのでしょう。吉備団子を食べた直後ではありますが、ついでなので、このお店にも寄ってみることにしました。イチオシの草餅の他に、みたらし団子もずいぶんおいしそうに見えます。しかし、いい年をしたおじさんが、

「草餅1つと、みたらし団子1本」

と注文するのはいけません。ここは見栄を張って、草餅4つ、みたらし団子4本、と言いました。明日、母への土産にすればいいだろうくらいに考えてのことです。ところが、包みを受け取る際に、お店のおばさんがニッコリしながら一言。

「今日中に召し上がってください」

あれ、日持ちしないんだ。そうとわかっていたのだったら、やはり草餅1つとみたらし団子1本にしておけばよかった。

自動車に戻って紙包みを開けてみると、草餅は経木(きょうぎ)でくるまっていました。若い方は経木をご存じないでしょう。経木とは、紙のように薄い木の板(柾目で削られています)。材質は主にスギ、ヒノキが用いられます。ただ、興味深いことに、本来なら、その経木で来るんだモノは、「経木紐」と呼ばれる同じ素材で出来た紐で結ばれなければならないのですが、ここでは経木紐を似せて作ったビニール製の紐が使われているのです。

変なところに感心しながら、その場で草餅1つとみたらし団子1本をむしゃむしゃと食べました。今日中に食べなければいけないお菓子なんて、この時代、そうはありませんよね。いまどきはどんなお菓子だって宅急便で日本全国津々浦々まで届けることが出来ます。そのような中で、「その日のうちに食べなければならない」というのは、かえって贅沢なことだと感じました。

尚、残りの3つと3本は、翌日、1人でみんな食べてしまいました。お店のおばさんの忠告通り、それらは少し堅くなっている様子でしたが、食べて食べられないことはありませんでした。

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