告白しますが、私が小学校低学年だった頃、私が熱狂したのは、「仮面ライダー・ショー」や「ウルトラマン・ショー」といったライブ・ショー。それは年に何回か、春休みや夏休みに、島根県民会館大ホールで開催されました。入場無料の代わりに、スポンサー企業がその場で宣伝を打っていたのだろうと思います。
ああいったショーは、今でも全国津々浦々で開催されているのかわかりませんが、やったらいいと思います。ところで、その回ってくるショーの質は一定ではなく、完成度の高いショーもあれば、子供心にも「もう少しなんとかならんのかな~」と思うようなショーもありました。
決定的な差が現れるのは、仮面ライダーや怪人やウルトラマンや怪獣のコスチュームやかぶり物のクオリティー。さらに、演技中にそういったコスチュームやかぶり物から、中の人の首や手首や目がちらっとでも見えてしまうと、子供でもショーそのものを軽んじ始めます。つまり、ニセモノだということがばれてしまうと、ショーの世界に入り込むことができなくなってしまうのです。
マジックに種仕掛けがあることは、誰もが承知していて、それを承知の上で楽しむパフォーマンスではあります。でも、だからといって、演じる本人が、「いやあ、これはタネがあるんですから」といった姿勢で演じれば、それはただの「ネタ見せ」ということになってしまい、観客からしたら面白くもなんともなくなってしまいます。
演劇も映画も、フィクションではあるのですが、登場人物に本当らしさが感じられなければ、見ていられなくなるのと同じです。現象が起こればよいのではなく、演者が表現したい世界に観客を引きずり込んでいかなければ、パフォーマンスとしての価値はないということです。ウルトラマンの目の下の穴から、中に入っているお兄さんの黒目が見えてしまった瞬間に、魔法は解けてしまうのです。
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